バラシの原因②
前回、バラシの原因としてフッキングができてない事を挙げてみまして、それを防ぐ為には、まずリールを巻く事が重要だと申し上げました。
では、リールを目一杯巻き続けるとどうなるでしょうか・・・
ラインはどんどん巻かれ、この上なく張ります。そしてロッドも曲がりきったところで・・・
普通は「ドラグが出ます」。
ドラグとは、自分が決めた(調整した)以上の力がスプールにかかった時、その超えた分の力を逃がす機能です。例えば、ラインが4lbだったとします。ありえない事ではありますが、仮にわかりやすく強度が数値上の100%に保たれていたとして、4lbは約2kg。2kg以上の力がかかると切れます。
ですので、魚が2kg以上の力で引っ張った時に切れないように、2kgに調整しておけば、テンションを2kgに保ちながら糸を出すのがドラグの役目です。
では実際の所、2kgの力で「針は刺さるのでしょうか?」
私に釣りを教えてくださった方が、こんな実験をさせてくださいました。
タックル一式のラインの先に、トリプルフックを付ける。そして、厚紙にハリ先をあてがいます。その後、針が刺さるまで、徐々に力をかける・・・厚紙は結構硬いので、トリプルフックがフッキングしにくい形なのもあり、なかなか刺さりませんでしたね。
それぐらい、自分の今のセッティングでは、どれくらいの力を発揮できるか事実を把握しておく必要があるという事です。
最初の例や上の実験はちょっと極端な話にしてありますが、これを現実に近く煮詰めていくと、こんな感じになります。
実際にバネ秤で測ったところ、強度4lbのうち、新品(箱から出しただけ)でさえ結節時の強度低下で1.8kgで切れてしまいました。
さらに、おろす時巻いた分の強度低下、ルアーを結んだ時の強度低下、根ズレによる強度低下、キャスティング毎のガイド摩擦による強度低下、使っていくうちの紫外線劣化・・・これほど強度低下を招く原因がありまして、実際に残った強度は1.5kgもないかと思います。
そもそも、ライトアクション程度のロッドで、1.5kg耐えられるんでしょうかね?
ロッドの先に、1.5Lの飲み物を直にくっつけて持ち上げてみましょう・・・多分怖くてできません(笑)
つまり、ラインの強度もですけども、ロッドの強度にあわせてドラグを設定しているのが現状ではないでしょうか。
それぐらい限界までドラグを締めても1kg強の力。
紙の質や厚みを色々変えて、ご自分のセッティングのフッキング能力はいかほどか・・・実験してみられてはいかがでしょう?
今回は、なるべく強い力で引っ張れるよう「ドラグはできる限り締めましょう!」というお話でした。